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変形性膝関節症にインソールは有効?理学療法士が考える適応と注意点 - ブログ

変形性膝関節症にインソールは有効?理学療法士が考える適応と注意点

「膝が痛いのですが、インソールを作れば良くなりますか?」

PHYSIOでも非常に多いご相談のひとつです。

結論からいうと、インソールは変形性膝関節症(膝OA)の症状改善に役立つ可能性があります。

しかし、すべての方に効果が期待できるわけではありません。

インソールは魔法の道具ではなく、足部機能や歩行特性を評価したうえで適切に使用することが重要です。

今回は、変形性膝関節症とインソールの関係について、理学療法士の視点から解説します。

インソールとは?

インソール(足底板)とは、靴の中に入れて使用する中敷きのことです。

インソールには、

  • 足部の支持
  • 荷重分散
  • 衝撃吸収
  • 歩行補助
  • アライメント調整

などを目的としたものがあります。

市販品からオーダーメイドまで様々な種類があります。

インソールが膝に作用する仕組み

膝関節は、足部からの影響を大きく受けています。

足部機能が変化すると、

  • 下腿の回旋
  • 膝関節アライメント
  • 荷重位置

なども変化します。

インソールによって足部機能を調整することで、膝への負担軽減が期待される場合があります。

外側楔状足底板とは?

変形性膝関節症に対するインソールとして、比較的研究されているものに**外側楔状足底板(ラテラルウェッジ)**があります。

これは、足部外側をわずかに高くすることで、膝関節内側への負担軽減を目的としたインソールです。

一部の研究では、

  • 膝内反モーメント減少
  • 痛み軽減

などが報告されています。

一方で、効果が限定的であるという報告も少なくありません。

そのため、すべての変形性膝関節症患者に推奨されるわけではないのが現状です。

研究ではどのような結果が報告されているか

近年の研究では、

インソール単独による効果は小さい~中等度

と報告されることが多くなっています。

しかし、

  • 足部アライメント
  • 歩行特性
  • 膝アライメント

によって、反応には個人差が大きいことも示されています。

つまり、

「誰にインソールが適しているか」を見極めることが重要

だと考えられます。

インソールが合いやすい人

次のような方では、インソールが役立つ可能性があります。

足部機能に問題がある

  • 扁平足
  • 過回内
  • 足部不安定性

などがみられる場合です。

詳しくは、

▶︎【変形性膝関節症と扁平足】の記事をご覧ください。

靴の片減りが強い

歩行時の荷重偏位が大きい場合、インソールによる補助が有効なことがあります。

足部痛を伴う

膝痛だけでなく、

  • 足底痛
  • 外反母趾
  • 足関節痛

などを伴うケースでは、足部全体へのアプローチが必要になる場合があります。

インソールだけでは十分でない場合

インソールだけで膝痛が改善するとは限りません。

変形性膝関節症では、

  • 大腿四頭筋筋力
  • 股関節筋力
  • バランス能力
  • 歩行能力
  • 体重管理

なども重要です。

多くの場合、

運動療法とインソールを組み合わせること

が推奨されています。

インソールが合わない場合もある

インソールを入れた結果、

  • 膝痛悪化
  • 足部痛出現
  • 腰痛出現

などがみられることもあります。

そのため、

「膝が痛いからとりあえずインソール」

ではなく、

評価に基づいて作製・調整すること

が重要です。

PHYSIOで重視している評価

PHYSIOでは、インソールを検討する際、まず評価を行います。

足部評価

  • ポドスコープ
  • フットプリント
  • FPI(Foot Posture Index)
  • 足趾機能

足関節評価

  • 可動域
  • 柔軟性
  • 筋力

歩行分析

  • 歩行動画解析
  • 重心移動
  • 荷重パターン

靴評価

インソールは靴との相性が重要です。

  • 足長
  • 足囲
  • 靴のサイズ
  • 踵部の安定性
  • 靴底摩耗

なども確認しています。

PHYSIOで使用しているインソール

PHYSIOでは、

  • SIDAS
  • Formthotics Medical

を中心に使用しています。

足部形状だけではなく、

歩行や動作、目的に応じたフィッティング

を重視しています。

まとめ

変形性膝関節症に対するインソールは、適切な対象では症状軽減に役立つ可能性があります。

一方で、インソールだけですべてが解決するわけではありません。

もし、

  • 膝痛がなかなか改善しない
  • 靴の片減りが強い
  • 扁平足が気になる
  • 足や膝の両方が痛い

という方は、一度足元から身体全体を評価してみることをおすすめします。

大切なのは、

「どのインソールを選ぶか」ではなく、「なぜ膝が痛いのかを評価すること」

です。

関連記事

  • 変形性膝関節症と足の関係
  • 変形性膝関節症と扁平足
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参考文献

Bennell KL, et al. Lateral wedge insoles for medial knee osteoarthritis: 12 month randomised controlled trial. BMJ. 2011.

Parkes MJ, et al. Lateral wedge insoles as a conservative treatment for pain in patients with medial knee osteoarthritis. JAMA. 2013.

Hinman RS, et al. Foot orthoses in lower limb musculoskeletal conditions: a review. Clin Biomech. 2014.


合同会社PROWELL

滋賀医科大学 ペインクリニック科
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