ランニングや部活動で膝のお皿が痛い人の靴選び|理学療法士が解説
「ランニングをすると膝のお皿が痛い」
「部活動中に膝の前が痛くなる」
「靴を変えた方がよいのでしょうか?」
このようなご相談をいただくことがあります。
膝のお皿の周囲に生じる痛みを膝前面痛と呼びます。
特に、
- ランナー
- バスケットボール選手
- バレーボール選手
- サッカー選手
- 空手選手
などでは、膝前面痛が多くみられます。
膝前面痛の原因はひとつではありませんが、靴が症状に影響している場合も少なくありません。
今回は、膝前面痛と靴選びの関係について、理学療法士の視点から解説します。
靴が膝前面痛に影響する理由
足は身体と地面をつなぐ唯一の部分です。
そのため、靴は、
- 足部機能
- 荷重位置
- 歩行パターン
- ランニングフォーム
に影響します。
サイズが合わない靴や、足に適していない靴を使用すると、足部機能が十分に発揮できず、結果として膝関節への負担増加につながることがあります。
特にスポーツでは、繰り返し大きな負荷が加わるため、靴選びは重要です。
膝前面痛の方にみられる靴の特徴
PHYSIOでは、膝前面痛の方に次のような靴の特徴がみられることがあります。
サイズが大きすぎる
足長や足囲に対して大きすぎる靴では、靴の中で足が動きやすくなります。
その結果、
- 足部不安定性
- 過回内
- 歩行効率低下
などが起こる可能性があります。
踵部分が柔らかすぎる
踵部分が容易に潰れる靴では、足部の安定性が低下する場合があります。
特に成長期スポーツ選手では、踵部の安定性は重要です。
靴底が大きく摩耗している
靴底が偏って摩耗している場合には、歩行やランニングフォームの特徴が反映されている可能性があります。
極端な摩耗がみられる場合には、一度フォームを確認してみることをおすすめします。
膝前面痛の方におすすめしたい靴の条件
足に適切にフィットしている
もっとも重要なのはフィット感です。
確認したいポイントは、
- 足長
- 足囲
- 足幅
- 甲の高さ
です。
スポーツシューズでは、つま先に適度な余裕を持たせながら、踵はしっかり固定できることが望ましいでしょう。
踵部分が安定している
踵部をつまんだ際に、適度な硬さがある靴は安定性が高い傾向があります。
踵部が安定すると、ランニングやジャンプ動作時の足部コントロールに役立つ可能性があります。
適度なねじれ剛性がある
靴が雑巾のように簡単にねじれる場合、足部を十分に支えられないことがあります。
一方で、硬すぎる靴も足部機能を妨げる場合があります。
適度な剛性を持つ靴が望ましいでしょう。
前足部で自然に曲がる
靴底は、足趾の付け根付近で曲がることが理想的です。
中央部分で大きく曲がる靴では、効率的な推進動作を妨げる場合があります。
ランナーが注意したいポイント
ランニングシューズでは、
- 走行距離
- 路面環境
- 体格
- ランニングフォーム
によって適切な靴が異なります。
一般的に、ランニングシューズは500~800km程度で機能低下するといわれています。
見た目に問題がなくても、クッション性や安定性が低下している場合があります。
ランニング中の膝前面痛が続く場合には、シューズの使用期間も確認してみましょう。
学生アスリートが注意したいポイント
成長期では、
- 急激な身長増加
- 筋柔軟性低下
- 筋力不足
などによって膝前面痛が起こりやすくなります。
加えて、
- 小さすぎるシューズ
- 大きすぎるシューズ
- サイズアウトしたシューズ
を使い続けているケースも少なくありません。
特に中学生や高校生では、定期的に足のサイズを確認することをおすすめします。
靴だけでは改善しないことも多い
靴選びは重要ですが、靴だけで膝前面痛が改善するとは限りません。
膝前面痛では、
- 股関節筋力
- 体幹機能
- 足部機能
- 足関節可動域
なども重要です。
詳しくは、
▶︎【足首が硬いと膝のお皿が痛くなる?】
▶︎【扁平足は膝のお皿の痛みの原因になる?】
の記事をご覧ください。
インソールとの組み合わせ
足部機能低下がみられる場合には、インソールが役立つことがあります。
ただし、インソールは靴との相性が重要です。
靴が適切でなければ、インソール本来の機能を十分に発揮できない場合があります。
詳しくは、
▶︎【膝のお皿の痛みにインソールは有効?】
の記事をご覧ください。
PHYSIOで行っている靴評価
PHYSIOでは、膝前面痛に対して、
足部評価
- ポドスコープ
- フットプリント
- FPI(Foot Posture Index)
靴評価
- 足長
- 足囲
- 足幅
- フィット感
- 靴底摩耗
動作評価
- 歩行分析
- ランニング分析
- スクワット分析
- 着地動作分析
を行っています。
必要に応じて、インソールや運動指導も実施しています。
まとめ
膝前面痛では、靴選びも重要な要素のひとつです。
しかし、「膝に良い靴」がすべての人で同じとは限りません。
大切なのは、
- 足の形
- 足部機能
- スポーツ特性
- 動作パターン
に合わせて靴を選ぶことです。
もし、
- ランニング中に膝のお皿が痛い
- 部活動中に膝が痛い
- 靴選びに迷っている
- インソールを検討している
という方は、一度足元から身体全体を評価してみることをおすすめします。
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参考文献
Barton CJ, et al. The efficacy of foot orthoses in the treatment of individuals with patellofemoral pain syndrome. Sports Med. 2010.
Willy RW, et al. Patellofemoral Pain Clinical Practice Guideline. J Orthop Sports Phys Ther. 2019.
Malisoux L, et al. Influence of footwear on running injuries. Sports Med. 2015.
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