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扁平足は膝のお皿の痛みの原因になる?膝前面痛と足のアーチの関係

「扁平足だから膝が痛くなるのでしょうか?」

「膝のお皿の周りが痛いのですが、足に原因があると言われました」

PHYSIOでも、このようなご相談をいただくことがあります。

膝のお皿の周囲に生じる痛みを膝前面痛と呼びます。特に、膝蓋大腿関節痛症候群(Patellofemoral Pain Syndrome:PFPS)では、足部機能との関連が注目されています。

近年の研究では、足部の過回内や足部アライメント異常が、一部の膝前面痛患者に関与している可能性が報告されています。

今回は、扁平足と膝前面痛の関係について、理学療法士の視点から解説します。


扁平足とは?

扁平足とは、一般的に足の内側縦アーチが低下した状態を指します。

足のアーチには、

  • 衝撃吸収
  • 荷重分散
  • バランス保持
  • 推進力の生成

という重要な役割があります。

しかし、単純に「アーチが低い=悪い」というわけではありません。

大切なのは、

  • 足部の柔軟性
  • 足部の安定性
  • 歩行時の動き
  • スポーツ動作時の機能

です。

PHYSIOでも、足部を評価する際には、アーチの高さだけでなく、足部全体の機能を確認しています。


扁平足で膝前面痛が起こるメカニズム

足部の過回内が起こる

扁平足では、歩行やランニング時に足部が過度に内側へ倒れ込む「過回内(オーバープロネーション)」が生じることがあります。

過回内が起こると、

  • 距骨内転
  • 脛骨内旋
  • 大腿骨内旋

が連鎖的に起こりやすくなります。

このような運動連鎖によって、膝関節の動きにも影響が及びます。


膝蓋骨へのストレスが増加する

脛骨や大腿骨が過剰に内旋すると、膝蓋骨(お皿)の位置や動きにも影響します。

その結果、

  • 膝蓋大腿関節の圧迫ストレス増加
  • 膝蓋骨周囲組織への負担増加

が生じる可能性があります。

特に、

  • 階段を降りる
  • スクワットをする
  • ランニングをする

といった動作で症状が出やすくなることがあります。


Dynamic Valgus(動的膝外反)が生じる

足部の過回内が強い場合、動作中に膝が内側へ入るDynamic Valgus(動的膝外反)がみられることがあります。

Dynamic Valgusは、

  • ジャンプ着地
  • ランニング
  • 片脚スクワット

などで生じやすく、膝前面痛との関連が指摘されています。

ただし、Dynamic Valgusには股関節機能も大きく関与するため、足部だけで説明できるわけではありません。


スポーツ選手で多い理由

膝前面痛は、

  • ランニング
  • バスケットボール
  • バレーボール
  • サッカー
  • 空手

など、繰り返しのジャンプや方向転換を伴う競技で多くみられます。

スポーツ選手では、

  • 過回内
  • 足部不安定性
  • 足関節背屈制限

を伴うケースも少なくありません。

また、成長期には急激な身長増加により、下腿三頭筋の柔軟性が低下し、膝前面痛が生じることもあります。


自宅でできるセルフチェック

足跡を確認する

足を濡らして紙の上に立ち、土踏まず部分の接地面積を確認してみましょう。

土踏まずがほとんど見えない場合は、扁平足傾向があるかもしれません。

ただし、足跡だけでは機能を評価できないため、参考程度に考えましょう。


片脚スクワットをしてみる

鏡の前で片脚スクワットを行った際に、

  • 膝が大きく内側へ入る
  • 足部が内側へ倒れる

場合には、足部機能や股関節機能の低下が存在する可能性があります。


靴底の減り方を確認する

靴底が極端に内側だけ減っている場合には、過回内傾向があるかもしれません。


扁平足への対策

足部筋トレーニング

足部内在筋のトレーニングは、足部機能改善に役立つ可能性があります。

代表的な運動として、

  • ショートフットエクササイズ
  • タオルギャザー
  • カーフレイズ

などがあります。


足関節の柔軟性を改善する

足関節背屈制限は、過回内を助長することがあります。

ふくらはぎの柔軟性改善も重要です。

詳しくは、

▶︎【足首が硬いと膝のお皿が痛くなる?】の記事をご覧ください。


靴を見直す

足に合わない靴は、足部機能を十分に発揮できないことがあります。

特に、

  • サイズが大きすぎる
  • 踵が柔らかすぎる

場合には注意が必要です。


必要に応じてインソールを活用する

一部の膝前面痛患者では、インソールが症状軽減に役立つ可能性があります。

ただし、すべての方に必要なわけではありません。

足部評価や歩行分析を行ったうえで適応を判断することが重要です。

詳しくは、

▶︎【膝のお皿の痛みにインソールは有効?】の記事をご覧ください。


PHYSIOで行っている評価

PHYSIOでは、膝前面痛に対して、

足部評価

  • ポドスコープ
  • フットプリント
  • FPI(Foot Posture Index)
  • 足趾機能評価

動作評価

  • 歩行分析
  • ランニング分析
  • スクワット分析
  • 片脚スクワット分析

足関節評価

  • 可動域測定
  • ニー・トゥ・ウォールテスト

を実施し、膝前面痛と足部機能との関係を確認しています。


まとめ

扁平足そのものが必ずしも膝前面痛の原因になるわけではありません。

しかし、

  • 足部の過回内
  • Dynamic Valgus
  • 足関節背屈制限

などを伴う場合には、膝前面痛に影響している可能性があります。

膝のお皿の周囲の痛みが続いている場合には、膝だけではなく、足元から身体全体を評価することも大切です。


関連記事


参考文献

Barton CJ, et al. The relationship between rearfoot, tibial and hip kinematics in individuals with patellofemoral pain syndrome. Clin Biomech. 2010.

Neal BS, et al. Foot posture as a risk factor for lower limb overuse injury. J Foot Ankle Res. 2014.

Barton CJ, et al. Patellofemoral pain syndrome: the influence of foot posture. J Orthop Sports Phys Ther. 2011.

膝の痛みでお困りの方へ

膝の痛みは、膝だけの問題ではなく、

足部機能

足関節の柔軟性

歩行やランニングフォーム

靴やインソール

全身の動き

など、さまざまな要因が関係していることがあります。

リハビリ&トレーニングPHYSIOでは、膝の痛みに対して、

ポドスコープによる足部評価

歩行分析

ランニング分析

足関節機能評価

靴評価

インソール評価

を行い、痛みの背景にある要因を確認しています。

「なかなか改善しない」

「何が原因なのか知りたい」

「インソールが自分に合うのか相談したい」

という方は、お気軽にご相談ください。

ご予約・ご相談は、下記の公式LINEより受け付けています。

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膝のお皿の周りが痛いのは足が原因?膝前面痛と足部機能の関係を理学療法士が解説

「階段を降りると膝のお皿の周りが痛い」

「部活動で走ると膝の前が痛くなる」

「長時間座っていると膝が痛い」

このような症状は、膝前面痛(ぜんめんつう)と呼ばれる状態かもしれません。

膝前面痛は、スポーツ選手だけでなく、一般の方にもよくみられる症状です。

そして近年、膝前面痛には膝だけではなく、足部機能や足関節の動きが関係する可能性があることが分かってきています。

今回は、膝前面痛と足部機能の関係について、理学療法士の視点から解説します。


膝前面痛とは

膝前面痛とは、主に膝のお皿(膝蓋骨)の周囲に生じる痛みを指します。

代表的な疾患として、

  • 膝蓋大腿関節痛症候群(Patellofemoral Pain Syndrome:PFPS)
  • 膝蓋腱障害
  • 成長期のスポーツ障害

などがあります。

特に膝蓋大腿関節痛症候群は、若年者やスポーツ選手に多くみられます。

膝前面痛では、

  • 階段を降りると痛い
  • スクワットで痛い
  • ランニングで痛い
  • ジャンプで痛い
  • 長時間座っていると痛い

といった特徴を認めることがあります。


なぜ足部が膝前面痛に影響するのか

人の身体は、足から骨盤、体幹まで連動して動いています。

このような考え方を運動連鎖(キネティックチェーン)と呼びます。

足部は身体と地面をつなぐ唯一の部分です。

そのため、足部機能が低下すると、その影響が膝関節にも伝わることがあります。

例えば、

  • 足部が内側へ倒れる
  • 足首が硬い
  • 足部の安定性が低い

といった状態では、膝関節周囲の力学的ストレスが変化する可能性があります。


足部機能低下で起こること

足部の過回内

足部が過度に内側へ倒れる状態を過回内といいます。

過回内が生じると、

  • 距骨内転
  • 脛骨内旋
  • 大腿骨内旋

が連鎖的に起こることがあります。


Dynamic Valgus(動的膝外反)

足部の過回内や股関節機能低下が存在すると、動作中に膝が内側へ入ることがあります。

これをDynamic Valgus(動的膝外反)と呼びます。

Dynamic Valgusでは、膝蓋骨周囲へのストレスが増加し、膝前面痛と関連する可能性があります。

特に、

  • 着地動作
  • スクワット
  • ランニング

でみられることが多くあります。


膝前面痛でみられる足部の特徴

膝前面痛の方では、以下のような特徴を認めることがあります。

足部

  • 扁平足傾向
  • 過回内
  • 足部不安定性
  • 足趾機能低下

足関節

  • 足関節背屈制限
  • 下腿三頭筋の柔軟性低下

動作

  • Dynamic Valgus
  • 着地動作の不安定性
  • 片脚スクワット時の膝内側偏位

もちろん、すべての方に当てはまるわけではありません。

そのため、個別評価が重要になります。


スポーツ選手では特に注意が必要

膝前面痛は、

  • ランニング
  • バスケットボール
  • バレーボール
  • サッカー
  • 空手

など、ジャンプや方向転換を伴う競技で多くみられます。

特に成長期では、急激な身長増加により足関節の柔軟性が低下し、膝前面痛を生じることがあります。

部活動中に膝のお皿周囲が痛くなる場合には、早めの評価をおすすめします。


PHYSIOで行っている評価

PHYSIOでは、膝前面痛の方に対して、膝だけではなく全身を評価しています。

足部評価

  • ポドスコープ
  • フットプリント
  • FPI(Foot Posture Index)
  • 足趾機能評価

足関節評価

  • 可動域測定
  • ニー・トゥ・ウォールテスト

動作評価

  • 歩行分析
  • ランニング分析
  • スクワット分析
  • 片脚スクワット分析
  • 着地動作分析

靴評価

  • サイズ確認
  • フィット感確認
  • 靴底摩耗確認

必要に応じて、インソールや運動指導も行っています。


こんな症状は足部機能の評価をおすすめします

  • 階段で膝のお皿が痛い
  • スクワットで膝が痛い
  • ランニング中に膝が痛い
  • 部活動で膝が痛くなる
  • 長時間座ると膝が痛い
  • インソールを試したい

このような場合には、足部機能が関与している可能性があります。


まとめ

膝前面痛では、膝だけではなく足部機能や足関節機能が影響している場合があります。

特に、

  • 足部の過回内
  • 足関節背屈制限
  • Dynamic Valgus

は、膝前面痛との関連が報告されています。

もし膝のお皿の周囲の痛みが続いている場合には、膝だけではなく足元から身体全体を評価してみることも大切です。


関連記事


参考文献

Barton CJ, et al. The relationship between rearfoot, tibial and hip kinematics in individuals with patellofemoral pain syndrome. Clin Biomech. 2010.

Neal BS, et al. Foot posture as a risk factor for lower limb overuse injury. J Foot Ankle Res. 2014.

Willy RW, et al. Patellofemoral pain. J Orthop Sports Phys Ther. 2019.

膝のお皿の痛みにインソールは有効?理学療法士が考える適応と注意点

「膝のお皿の周りが痛いのですが、インソールは効果がありますか?」

スポーツ選手やランナー、部活動中の学生さんから、このようなご相談をいただくことがあります。

結論からいうと、インソールは一部の膝前面痛患者に有効な可能性があります。

しかし、すべての方に効果が期待できるわけではありません。

大切なのは、

「なぜ膝のお皿が痛くなっているのか」

を評価することです。

今回は、膝前面痛に対するインソールの適応と注意点について、理学療法士の視点から解説します。


膝前面痛とは?

膝前面痛とは、膝のお皿(膝蓋骨)周囲に生じる痛みの総称です。

代表的な疾患として、

  • 膝蓋大腿関節痛症候群(PFPS)
  • 膝蓋腱障害
  • 成長期スポーツ障害

などがあります。

特に膝蓋大腿関節痛症候群では、

  • 階段を降りると痛い
  • スクワットで痛い
  • ランニングで痛い
  • 長時間座ると痛い

といった症状がみられます。


なぜインソールが膝前面痛に影響するのか

足は身体と地面をつなぐ唯一の部分です。

足部機能が変化すると、

  • 脛骨の回旋
  • 大腿骨の回旋
  • 膝関節アライメント

にも影響を及ぼす可能性があります。

例えば、

  • 足部の過回内
  • 足部不安定性
  • 扁平足傾向

が存在する場合、動作中に膝が内側へ入るDynamic Valgusが生じやすくなることがあります。

インソールは、足部機能を補助することで、膝前面痛に影響する可能性があります。


研究ではどのような結果が報告されているか

膝前面痛に対するインソールの研究では、

「短期的な症状軽減に役立つ可能性がある」

という報告が多くみられます。

特に、

  • 足部の過回内がある
  • 足部可動性が高い
  • 足部機能低下がある

方では、効果が期待できる可能性があります。

一方で、

すべての患者に効果が認められるわけではなく、個人差が大きいことも報告されています。

そのため、

「とりあえずインソールを入れる」

のではなく、

「誰に適応があるのか」

を評価することが重要です。


インソールの効果が期待できる人

足部の過回内がある

足部が過度に内側へ倒れ込む場合には、インソールが役立つことがあります。

詳しくは、

▶︎【扁平足は膝のお皿の痛みの原因になる?】の記事をご覧ください。


扁平足傾向がある

扁平足そのものが問題になるわけではありません。

しかし、足部機能低下を伴う場合には、インソールが補助的に役立つ可能性があります。


足部不安定性がある

片脚立位や片脚スクワットで足部の不安定性が強い場合にも、適応となることがあります。


ランニング時に症状が出る

ランニングでは、繰り返し大きな負荷が加わります。

ランナーの一部では、インソールによって症状が軽減する可能性があります。


インソールだけでは十分ではない

膝前面痛の改善には、インソールだけでなく運動療法が重要です。

特に、

  • 股関節筋力
  • 体幹機能
  • 足部機能
  • バランス能力

の改善は、多くの研究で推奨されています。

PHYSIOでも、

  • 運動療法
  • 動作指導
  • 足部評価
  • インソール

を組み合わせて対応しています。


インソールが合わないこともある

インソール使用後に、

  • 痛みが増える
  • 足が疲れる
  • 足部痛が出現する

場合もあります。

そのため、

  • 靴との相性
  • 足部形状
  • 動作特性

を考慮した調整が必要になります。


PHYSIOで重視している評価

PHYSIOでは、インソールを検討する際に、まず評価を行います。

足部評価

  • ポドスコープ
  • フットプリント
  • FPI(Foot Posture Index)
  • 足趾機能

足関節評価

  • 可動域
  • 柔軟性
  • ニー・トゥ・ウォールテスト

動作評価

  • 歩行分析
  • ランニング分析
  • スクワット分析
  • 片脚スクワット分析

靴評価

  • 足長
  • 足囲
  • フィット感
  • 靴底摩耗

これらを総合的に評価し、インソールの必要性を判断しています。


PHYSIOで使用しているインソール

PHYSIOでは、

  • SIDAS
  • Formthotics Medical

を中心に使用しています。

足型だけではなく、

「どのように動いているか」

を重視したフィッティングを行っています。


まとめ

インソールは、一部の膝前面痛患者では症状改善に役立つ可能性があります。

しかし、インソールは万能ではありません。

大切なのは、

  • 足部機能
  • 足関節機能
  • 動作特性

を総合的に評価することです。

もし、

  • ランニング中に膝のお皿が痛い
  • スクワットで膝が痛い
  • 扁平足が気になる
  • インソールを試したい

という方は、一度足元から評価してみることをおすすめします。


関連記事


参考文献

Collins NJ, et al. Foot orthoses and physiotherapy in the treatment of patellofemoral pain syndrome: randomised clinical trial. BMJ. 2008.

Barton CJ, et al. The efficacy of foot orthoses in the treatment of individuals with patellofemoral pain syndrome. Sports Med. 2010.

Willy RW, et al. Patellofemoral Pain Clinical Practice Guideline. J Orthop Sports Phys Ther. 2019.

膝の痛みでお困りの方へ

膝の痛みは、膝だけの問題ではなく、

  • 足部機能
  • 足関節の柔軟性
  • 歩行やランニングフォーム
  • 靴やインソール
  • 全身の動き

など、さまざまな要因が関係していることがあります。

リハビリ&トレーニングPHYSIOでは、膝の痛みに対して、

  • ポドスコープによる足部評価
  • 歩行分析
  • ランニング分析
  • 足関節機能評価
  • 靴評価
  • インソール評価

を行い、痛みの背景にある要因を確認しています。

「なかなか改善しない」

「何が原因なのか知りたい」

「インソールが自分に合うのか相談したい」

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足首が硬いと膝のお皿が痛くなる?膝前面痛と足関節背屈制限の関係

「しゃがむと膝のお皿が痛い」

「階段を降りると膝の前が痛い」

「足首が硬いと言われたことがある」

このような方は、足関節の動きが膝前面痛に影響しているかもしれません。

膝のお皿の周囲に生じる痛みを膝前面痛と呼びます。代表的な疾患として、膝蓋大腿関節痛症候群(Patellofemoral Pain Syndrome:PFPS)が知られています。

近年では、膝前面痛を有する方の一部に、足関節背屈可動域の低下がみられることが報告されています。

今回は、膝前面痛と足関節背屈制限との関係について、理学療法士の視点から解説します。


足関節背屈とは?

足関節背屈とは、足首を上方向へ曲げる動きのことです。

例えば、

  • しゃがむ
  • 階段を降りる
  • ランニングをする
  • ジャンプ後に着地する

といった動作では、十分な足関節背屈可動域が必要になります。

歩行時にも、身体が前方へ移動する際に足関節は徐々に背屈していきます。

この動きが制限されると、身体は別の方法で動作を補うようになります。


足首が硬いと起こる代償動作

膝が内側へ入る

足関節背屈可動域が不足すると、スクワットや着地動作時に膝が内側へ入りやすくなることがあります。

このような動きをDynamic Valgus(動的膝外反)と呼びます。

Dynamic Valgusが生じると、膝蓋大腿関節へのストレスが増加する可能性があります。


足部が過回内する

足首が十分に曲がらない場合、身体は代償として足部を内側へ倒しながら重心移動を行うことがあります。

これが足部の過回内です。

過回内が生じると、

  • 脛骨内旋
  • 大腿骨内旋

が起こりやすくなり、膝蓋骨周囲の力学的環境が変化する可能性があります。

詳しくは、

▶︎【扁平足は膝のお皿の痛みの原因になる?】の記事をご覧ください。


体幹前傾が増える

足関節背屈制限がある場合、スクワットや着地時に体幹を過度に前傾させることがあります。

体幹前傾そのものが悪いわけではありませんが、代償が大きくなることで動作効率低下や膝への負担増加につながる場合があります。


スクワットや階段で痛くなる理由

膝前面痛の方が、

  • スクワット
  • 階段昇降
  • ランニング
  • ジャンプ着地

で痛みを感じやすい理由のひとつに、膝蓋大腿関節への圧迫ストレスがあります。

足関節背屈可動域が低下すると、これらの動作時に膝関節周囲の力学的負担が変化し、症状に影響する可能性があります。

特にスポーツ選手では、繰り返しの動作によって症状が慢性化することもあります。


ニー・トゥ・ウォールテストで足首をチェックしてみよう

足関節背屈可動域を簡単に確認する方法として、ニー・トゥ・ウォールテストがあります。

方法

1.壁の前に立つ

2.踵を床につけたまま膝を壁へ近づける

3.踵が浮かずに膝が壁につく最大距離を測定する

一般的には、10cm前後以上がひとつの目安とされています。

また、左右差も確認してみましょう。

ただし、測定値だけで問題の有無を判断することはできません。

動作全体を評価することが重要です。


足関節背屈制限を改善する方法

ふくらはぎのストレッチ

足関節背屈制限では、

  • 腓腹筋
  • ヒラメ筋

の柔軟性低下が関与することがあります。

ストレッチは痛みのない範囲で実施しましょう。


足関節モビリティエクササイズ

足関節の動きを改善する運動として、

  • ニー・トゥ・ウォール運動
  • ランジ動作
  • スクワット

などがあります。

スポーツ選手ではウォーミングアップとして取り入れることも有効です。


足部機能を改善する

足関節だけでなく、

  • 足部機能
  • 足趾機能
  • バランス能力

も重要です。

足部全体の機能を高めることで、動作改善につながる可能性があります。


必要に応じてインソールを活用する

一部の膝前面痛患者では、インソールが役立つ場合があります。

ただし、インソールは全員に必要なわけではありません。

足部評価や歩行分析を行ったうえで適応を判断することが重要です。

詳しくは、

▶︎【膝のお皿の痛みにインソールは有効?】の記事をご覧ください。


PHYSIOで行っている評価

PHYSIOでは、膝前面痛に対して、

足関節評価

  • 可動域測定
  • ニー・トゥ・ウォールテスト
  • 柔軟性評価

足部評価

  • ポドスコープ
  • フットプリント
  • FPI(Foot Posture Index)

動作評価

  • 歩行分析
  • ランニング分析
  • スクワット分析
  • 片脚スクワット分析
  • 着地動作分析

を実施しています。

膝だけではなく、足元から全身を評価することを大切にしています。


まとめ

足関節背屈制限は、膝前面痛に影響する可能性があります。

特に、

  • スクワットで膝が痛い
  • 階段を降りると膝が痛い
  • 足首が硬い
  • スポーツ中に膝が痛い

という方では、足関節機能を確認してみる価値があるかもしれません。

膝前面痛を考える際には、膝だけではなく、足関節や足部機能も含めて評価することが重要です。


関連記事


参考文献

Macrum E, et al. The effects of limited ankle dorsiflexion on lower extremity kinematics during a squat. J Orthop Sports Phys Ther. 2012.

Barton CJ, et al. Patellofemoral pain syndrome: the influence of foot posture. J Orthop Sports Phys Ther. 2011.

Willy RW, et al. Patellofemoral Pain. J Orthop Sports Phys Ther. 2019.

膝の痛みでお困りの方へ

膝の痛みは、膝だけの問題ではなく、

  • 足部機能
  • 足関節の柔軟性
  • 歩行やランニングフォーム
  • 靴やインソール
  • 全身の動き

など、さまざまな要因が関係していることがあります。

リハビリ&トレーニングPHYSIOでは、足裏の痛みに対して、

  • ポドスコープによる足部評価
  • 歩行分析
  • ランニング分析
  • 足関節機能評価
  • 靴評価
  • インソール評価

を行い、痛みの背景にある要因を確認しています。

「なかなか改善しない」

「何が原因なのか知りたい」

「インソールが自分に合うのか相談したい」

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はじめに

骨粗鬆症というと、
「高齢者の病気」
「閉経後の女性に多いもの」
というイメージを持たれる方が多いかもしれません。

たしかに骨粗鬆症は、加齢や閉経後のホルモン変化と深く関係します。
しかし、骨粗鬆症の予防という視点で見ると、実は子どもから思春期にかけての過ごし方がとても重要です。

さて、骨は一生同じ状態ではありません。
成長期に骨量を増やし、成人後はそれを維持し、加齢とともに少しずつ減少していく3段階のフェーズがあり、20歳頃までにピークに達し、その後40歳頃までは維持され、以降は徐々に減少していくと説明されています。

つまり、将来の骨を守るためには、若い時期にどれだけ骨の“貯金”をつくれるか
が大切になります。


骨量のピークは20歳頃までに決まる

骨量が大きく増えるのは、主に成長期です。
資料では、骨量が最も増える時期は思春期の前半から中頃で、女性では11〜15歳、男性では13〜17歳頃とされています。最大骨量に達するのは、女性で18歳頃、男性で18〜20歳頃と説明されています。

この時期に十分な栄養、適度な運動、睡眠が確保できていると、将来の骨粗鬆症予防につながりやすくなります。

反対に、成長期に無理なダイエットや過度なトレーニング、睡眠不足が重なると、骨の成長に悪影響を与える可能性があります。

PHYSIOでは、骨づくりを
「カルシウムを摂ること」だけではなく、
食事・運動・睡眠・身体の使い方を含めた総合的な健康づくり
として考えることが大切だと考えています。


骨をつくるために大切な3つの基本

1. バランスのよい食事

骨の材料としてよく知られているのがカルシウムです。
カルシウムは、牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品、小魚、大豆製品、小松菜、わかめなどに多く含まれます。資料では、成長期には1日1,000mg以上のカルシウム摂取を目標にすることが示されています。

ただし、骨づくりに必要なのはカルシウムだけではありません。

ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、ビタミンCも骨づくりに関係します。たんぱく質は身体全体をつくる基本の栄養素であり、骨や筋肉の成長にも欠かせません。

なお、乳製品と骨の健康については、「乳製品を多く摂る国ほど骨折が多いのではないか」という議論があります。

ただし、国ごとの比較では、平均寿命、高齢者の割合、日照時間、運動習慣、転倒リスク、医療・診断体制など多くの要因が重なるため、乳製品だけが原因とは言い切れません。

また、研究では牛乳、ヨーグルト、チーズで結果が異なることもあります。乳製品を一律に「良い」「悪い」と決めるのではなく、カルシウム、たんぱく質、ビタミンD、マグネシウムなどを含めた食事全体と、運動・日光・睡眠を合わせて考えることが大切です。

カルシウムは不足しても問題ですが、サプリメントなどで過剰に摂る必要もありません。食品から無理なく摂り、必要に応じて専門家に相談しながら調整しましょう。

一方で、加工食品や清涼飲料水などに多く含まれるリンを過剰に摂ると、カルシウムの吸収を妨げる可能性があるため、摂りすぎには注意が必要です。


2. 適度な運動と日光を浴びる習慣

骨は、適度な刺激が加わることで強くなります。
歩く、走る、ジャンプする、階段を上るなど、体重を支える運動は骨に刺激を与えます。

また、屋外で活動して日光を浴びることも大切です。
日光を浴びることで、皮膚でビタミンDがつくられ、カルシウムの吸収を助けます。資料でも、外に出て日光を浴び、身体を動かすことの重要性が説明されています。

現代の子どもたちは、受験、スマートフォン、ゲーム、室内活動の増加などにより、以前よりも外で身体を動かす機会が減りやすい環境にあります。

「スポーツをしているかどうか」だけでなく、
日常生活の中でどれくらい歩いているか、外で遊んでいるか、身体を動かす習慣があるかを見ることも大切です。


3. 十分な睡眠

成長期の身体づくりに睡眠は欠かせません。

睡眠中には成長ホルモンが分泌され、骨や筋肉を含めた身体の成長に関わります。資料でも、ぐっすり眠ることは骨づくりに大切だと説明されています。

夜更かしが続く、睡眠時間が短い、朝起きられないといった状態が続く場合は、生活リズムを見直すことも骨の健康づくりの一部になります。


注意したいこと:無理なダイエット

特に思春期の女性では、体型への意識が高まり、無理なダイエットをしてしまうことがあります。

しかし、成長期に体重や体脂肪を極端に減らすと、女性ホルモンの分泌に影響し、月経不順や無月経につながることがあります。資料では、無月経が続くと骨量低下につながることが説明されています。

「細いこと」よりも、
しっかり食べて、動いて、眠れる身体
をつくることが大切です。

体重だけで判断するのではなく、疲れやすさ、月経の状態、食事量、睡眠、運動量などを含めて身体全体を見ていく必要があります。


注意したいこと:やりすぎのスポーツトレーニング

運動は骨づくりに重要ですが、やりすぎは逆効果になることがあります。

成長期の骨はまだ成熟途中です。
その状態で過度な練習量、休養不足、食事制限が重なると、疲労骨折や骨の発育への悪影響につながる可能性があります。

資料でも、成長期に激しいトレーニングを行う場合は、骨折リスクへの注意が必要であることが示されています。特に、マラソン、バレエ、新体操など、低体重や体型管理が求められやすい競技では、食事制限への注意が必要とされています。

子どもの競技力を伸ばしたいときほど、
「練習量を増やす」だけでなく、
食事・睡眠・休養・痛みのサイン
を丁寧に確認することが大切です。


骨粗鬆症予防は「高齢者だけの話」ではない

骨粗鬆症は、骨量が減り、骨がもろくなることで、ちょっとした転倒や外力でも骨折しやすくなる状態です。資料では、65歳以上の約3分の1が骨粗鬆症にかかっているというデータも紹介されています。

高齢期の骨折は、痛みだけでなく、歩行能力の低下、活動量の低下、介護リスクの増加にもつながります。

だからこそ、骨粗鬆症予防は高齢になってから急に始めるものではなく、
成長期からの生活習慣、成人後の運動習慣、加齢期の転倒予防
をつなげて考える必要があります。


PHYSIOが考える「骨を守る身体づくり」

PHYSIOでは、骨の健康を考えるとき、栄養だけでなく、身体の動き方や姿勢、筋力、バランス能力も大切にしています。

たとえば、骨量が十分でも、転びやすい身体であれば骨折リスクは高まります。
反対に、骨量が低下していても、筋力やバランス能力を高め、転びにくい身体をつくることで、骨折予防につなげることができます。

子どもから高齢者まで、骨を守るために大切なのは次のような視点です。

  • 成長期は、骨量をしっかり増やす
  • 成人期は、運動習慣を保ち骨量低下を防ぐ
  • 中高年期は、筋力・柔軟性・バランスを整える
  • 高齢期は、転倒予防と生活動作の維持を重視する

骨は、毎日の生活の積み重ねでつくられ、守られていきます。

また、骨づくりは「牛乳を飲めばよい」という単純な話ではありません。

大切なのは、

  • カルシウムを不足させない
  • ビタミンDを確保する
  • たんぱく質を十分に摂る
  • マグネシウムなどのミネラルも含めて食事を整える
  • 荷重運動や筋力トレーニングで骨に刺激を入れる
  • 転倒しにくい身体をつくる
  • サプリメントに頼りすぎない

という総合的な考え方です。

「骨密度」だけでなく「転ばない身体」「折れにくい生活動作」まで含めて骨折予防を考える
という方向が重要です。


まとめ

骨粗鬆症の予防は、高齢になってから始めるものではありません。

特に成長期から思春期は、将来の骨の強さを左右する大切な時期です。

大切なのは、特別なことではなく、

バランスよく食べること
適度に身体を動かすこと
日光を浴びること
しっかり眠ること
無理なダイエットや過度なトレーニングを避けること

です。

将来の骨折予防のためにも、子どもの頃から「骨を育てる生活習慣」を意識していきましょう。

PHYSIOでは、痛みや姿勢、歩き方、転倒予防、運動習慣づくりを通して、年齢に応じた身体づくりをサポートしています。


参考資料

公益財団法人 骨粗鬆症財団
「骨粗鬆症の予防は成長期から ― 骨が育つ思春期までを大切に過ごす ―」
監修:田中弘之 先生


肩こりや腕のだるさが続き、
「マッサージしてもすぐ戻る」と感じていませんか?

実はその痛み、原因が“そこにない”可能性があります。

痛みには大きく分けて

  • 筋肉や筋膜が原因のもの
  • 末梢神経が関係するもの

の2つがあり、対処法はまったく異なります。

この記事では、理学療法士の視点から
「筋膜性疼痛」と「神経関連痛」の違いをわかりやすく解説します。


筋膜性疼痛とは?(いわゆるコリ・トリガーポイント)】

筋膜性疼痛とは、筋肉や筋膜の硬さによって起こる痛みです。

主な特徴

  • 押すと痛みが再現される
  • 「イタ気持ちいい」感覚がある
  • 一定のパターンで痛みが広がる

よくある例

  • 肩の筋肉 → 頭痛
  • お尻の筋肉 → 太ももや足の痛み

いわゆる「コリ」や「トリガーポイント」と呼ばれる状態です。


神経関連痛とは?】

神経関連痛とは、神経の圧迫やストレスによって起こる痛みです。神経痛は放散痛と言われますが、今回は神経周囲の神経(神経の神経)の絞扼によるものを神経の関連痛として説明します。

研究では、腕の神経を刺激すると
上腕や胸など離れた場所に痛みが出ることが確認されています。

主な特徴

  • 痛みの範囲が広い・あいまい
  • しびれや違和感を伴う
  • マッサージで改善しにくい

よくある例

  • 手首の負担 → 肩の痛み
  • 前腕の疲労 → 上腕のだるさ

なぜ「違う場所」に痛みが出るのか?】

神経や筋肉からの情報は、脳でまとめて処理されます。

このとき
複数の情報が混ざることで 痛みの場所がズレて感じられる

これが「関連痛」と呼ばれる現象です。深部痛と言われるもので、どこが痛いのかはっきり伝えられないという特徴もあります。


見分けるポイント】

チェック項目筋膜性疼痛神経関連痛
押すと痛い
範囲限局的、広がる広い、限局的
感覚重だるいしびれ・違和感
改善マッサージで変化変化しにくい

実は多い「両方が関係するケース」】

現場では

👉 筋肉+神経が同時に関与しているケースがほとんどです。


デスクワーク

前腕の神経ストレス

肩の筋緊張

慢性的な肩こり

このように、原因は連鎖します。


長浜市で肩こり・腕の痛みを根本改善するには】

痛みを改善するために重要なのは

「どこが痛いか」ではなく
👉「どこが原因か」を見極めることです。

当施設では

  • 動作分析
  • 神経・筋膜の評価
  • 作業姿勢のチェック

を組み合わせ、原因から改善を目指します。


長浜市・米原市周辺でこんなお悩みの方へ】

  • 肩こりが長年改善しない
  • 腕のだるさやしびれがある
  • マッサージではすぐ戻る
  • デスクワークで不調が続く

このような方は、ファシアの関係する神経由来の痛みが関係している可能性があります。


【まとめ】

  • 痛みの場所と原因は一致しないことがある
  • 筋膜性疼痛と神経関連痛は別物
  • 多くは両方が関与している
  • 根本改善には評価が重要で、セルフケアでできることも少なくありません。

·       


肩の痛みでお困りの方へ

「なかなか改善しない」

「何が原因なのか知りたい」

という方は、お気軽にご相談ください。

ご予約・ご相談は、下記の公式LINEより受け付けています。

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理学療法士が考える「続けやすい身体ケア」

肩こりは、多くの人が経験する身近な症状です。

マッサージなどで一時的に楽になることもありますが、
時間が経つと再び肩こりを感じる人も少なくありません。

このような場合、
日常生活の中でのセルフケアが重要になることがあります。

肩こりのセルフケアでは、
特別な運動よりも
日常の身体の使い方を見直すことが大切です。


理学療法士が考えるセルフケアの基本

PHYSIOで肩こりの相談を受けるとき、
セルフケアとしてよくお伝えするポイントがあります。

それは

・同じ姿勢を続けない
・身体をこまめに動かす
・肩甲骨を動かす

といったシンプルな習慣です。

肩こりは、
身体を動かす機会が少ない生活の中で
起こることが多いためです。


セルフケア①

肩甲骨を動かす

肩こりがある人では、
肩甲骨の動きが小さくなっていることがあります。

肩甲骨は、
腕や肩の動きと密接に関係しています。

肩甲骨を動かすことで

・肩周囲の筋肉
・背中の筋肉

が働きやすくなります。

例えば

・肩回し
・腕を大きく回す運動

などでも、肩周囲の動きを促すことができます。


セルフケア②

胸を開く姿勢を意識する

デスクワークやスマートフォン操作では、
背中が丸くなる姿勢になりやすくなります。

この姿勢では、
胸の筋肉が縮こまりやすくなります。

胸を軽く開く姿勢を意識することで、
肩や首の筋肉の負担を減らすことにつながります。


セルフケア③

軽い運動を習慣にする

身体は、適度に動かすことで

・血流
・関節の動き
・筋肉の働き

が保たれます。

運動不足が続くと、
肩や背中の筋肉が働く機会が減り、
疲労が回復しにくくなることがあります。

ウォーキングなどの軽い運動でも、
身体の機能維持に役立つことがあります。


Fasciaの視点から考えるセルフケア

身体の筋肉や臓器は、
Fascia(筋膜)と呼ばれる結合組織によって
包まれながらつながっています。

この組織は、
身体を動かすことで伸びたり滑ったりしながら
機能を保つと考えられています。

逆に身体を動かさない状態が続くと、
組織の動きが小さくなり、
筋肉の柔軟性にも影響する可能性があります。

そのため、
身体を適度に動かすことは
組織の機能維持にも重要と考えられています。


セルフケアで大切なこと

セルフケアは、
「強いストレッチ」や「特別な運動」よりも

・姿勢を変える
・身体を動かす
・運動習慣をつくる

といった日常の習慣が重要です。

小さな習慣でも、
続けることで身体の状態は変化することがあります。


まとめ

肩こりのセルフケアでは、

・肩甲骨を動かす
・姿勢を見直す
・身体をこまめに動かす

といった習慣が役立つことがあります。

肩こりを感じるときは、
首や肩だけでなく
身体全体の動きを見直すことが大切です。


【根拠】

筋膜は身体の各組織を包み込みながら力を伝達する結合組織であり、
身体活動や運動による機械的刺激が組織の機能維持に関与する可能性が報告されている。


【出典】

Benjamin M.
The fascia of the limbs and back.
Journal of Anatomy, 2009

Findley TW.
Fascia research from a clinician/scientist’s perspective.
International Journal of Therapeutic Massage and Bodywork, 2012

Huijing PA.
Epimuscular myofascial force transmission.
Journal of Biomechanics, 2009

理学療法士が見る「首と頭の関係」

肩こりと一緒に
頭痛を感じる人は少なくありません。

特に多いのが
緊張型頭痛と呼ばれるタイプです。

この頭痛では

・後頭部が重い
・頭を締めつけられる感じ
・首や肩のこり

といった症状が見られることがあります。

長時間のデスクワークやスマートフォン使用の後に
症状を感じる人も多くいます。


肩こりと頭痛の関係

肩こりがある人では、
首の筋肉の緊張が強くなっていることがあります。

特に

・僧帽筋
・肩甲挙筋
・後頭下筋群

などの筋肉が関係することがあります。

これらの筋肉は
頭の位置を支える役割を持っています。

頭の重さは約4〜6kgあり、
姿勢が崩れると首の筋肉に負担がかかります。

筋肉の緊張が続くと、
後頭部周囲の違和感や頭痛を感じることがあります。


理学療法士が観察する身体の特徴

PHYSIOで頭痛を伴う肩こりの方を評価すると、
次のような特徴が見られることがあります。

・首の可動域が小さい
・後頭部の筋肉の緊張
・肩甲骨の動きが少ない
・胸郭の柔軟性低下

特に、
後頭部の小さな筋肉(後頭下筋群)が
強く緊張していることがあります。

この筋肉は、
頭の位置を細かく調整する役割を持っています。


首の筋肉と神経の関係

首の後ろには
大後頭神経という神経があります。

この神経は後頭部の感覚に関係しています。

首の筋肉が緊張すると、
この神経の周囲の組織に負担がかかり、
後頭部の痛みとして感じることがあります。

そのため、首こりが強い人では
頭痛を伴うことがあります。


Fasciaの視点から見る頭痛

身体の内部では、
筋肉や神経の周囲を
Fascia(筋膜)と呼ばれる結合組織が包んでいます。

この組織は
身体の感覚にも関係すると考えられています。

近年の研究では、
筋膜には多くの感覚受容器が存在することが報告されています。

そのため、首や肩の組織の緊張が続くと、
不快感や痛みとして感じる可能性があります。


頭痛と生活習慣

肩こりに関連する頭痛では、
生活習慣も関係することがあります。

例えば

・長時間のデスクワーク
・スマートフォン使用
・運動不足
・睡眠不足

などです。

身体は適度に動かすことで
筋肉の緊張が変化し、
血流が保たれます。

同じ姿勢が長く続く生活では、
首や肩の筋肉の疲労が回復しにくくなることがあります。


まとめ

肩こりと頭痛は、
同時に起こることがある症状です。

特に

・長時間の同じ姿勢
・首や肩の筋肉の緊張

などが続くと、
後頭部の違和感や頭痛につながることがあります。

首だけでなく、
身体全体の姿勢や生活習慣を見直すことが
症状改善のきっかけになることがあります。


【根拠】

筋膜には多くの機械受容器や自由神経終末が存在し、
身体の感覚や痛みに関与する可能性が報告されている。


【出典】

Schleip R, et al.
Fascial tissue: a new target for manual therapy.
Journal of Bodywork and Movement Therapies, 2012

Yahia L, et al.
Sensory innervation of human thoracolumbar fascia.
Acta Orthopaedica Scandinavica, 1992

Tozzi P.
Selected fascial aspects of osteopathic practice.
Journal of Bodywork and Movement Therapies, 2012

理学療法士が見る「スマホ姿勢の身体への影響」

スマートフォンを使う時間が増えたことで、
肩こりを感じる人が増えていると言われています。

特にデスクワークや在宅勤務が増えた近年では、
スマートフォンを見る時間が長くなることも少なくありません。

一般的には
「スマホを見ると首が前に出るから肩こりになる」
と言われることが多いですが、

実際には
腕・手・視線の使い方も関係していることがあります。


スマホ姿勢で起こる腕の負担

スマートフォンを操作するとき、
多くの人は腕を体の前で支える姿勢になります。

このとき

・肩関節
・肩甲骨周囲の筋肉

が腕の重さを支えることになります。

人の腕の重さは片側で約3kgほどあり、(体重によりことなります)
スマートフォン操作ではこの腕を長時間支える状態になります。

そのため、肩周囲の筋肉が疲労しやすくなります。

ずっとダンベルを持っていると想像したらキツイですよね。


指の動きと肩の緊張

スマートフォン操作では
親指を中心とした細かい動作が繰り返されます。

このとき

・前腕の筋肉
・手の筋肉

が連続的に働きます。

これらの筋肉は肩や腕の筋肉と協調して働くため、
長時間の操作では肩周囲の筋肉も緊張しやすくなります。


理学療法士が見るスマホ使用時の特徴

PHYSIOで姿勢を観察すると、
スマートフォンをよく使う人では

・肩が前方に移動している
・肩甲骨の動きが少ない
・腕を体の前で固定している

といった特徴が見られることがあります。

肩甲骨の動きが少ない状態では、
首や肩の筋肉が姿勢を支える負担を受け続けるため、
肩こりにつながることがあります。


視線の固定と首の筋肉

スマートフォンを見るときは
画面に視線を集中させることが多くなります。

視線が固定されると、
頭の位置も同じ姿勢を保ち続けるため、
首の筋肉が長時間働く状態になります。

このような状態が続くと、
肩や首の筋肉の疲労が回復しにくくなることがあります。


Fasciaの視点から見るスマホ動作

身体の筋肉は、
単独で働いているわけではありません。

筋肉の周囲には
Fascia(筋膜)と呼ばれる結合組織が存在し、
腕・肩・背中の筋肉を連続的に結びつけています。

そのため、手や前腕の反復動作は
この組織を介して肩や背中にも影響を与える可能性があります。

スマートフォン操作では同じ動作が繰り返されるため、
肩周囲の筋肉に緊張が続くことがあります。


スマホ肩こりを防ぐポイント

スマートフォンによる肩こりを防ぐためには、
次のような習慣が役立つことがあります。

・スマホを目の高さに近づける
・長時間連続して使わない
・腕を休ませる
・肩甲骨を動かす

短い休憩でも、
肩周囲の筋肉の負担を減らすことにつながります。


まとめ

スマートフォンによる肩こりは、
首の姿勢だけでなく

・腕の使い方
・指の操作
・視線の固定

などの影響を受けることがあります。

スマートフォンを使うときは、
身体をこまめに動かす習慣を取り入れることが
肩こりの予防につながることがあります。


【根拠】

筋膜は筋・神経・血管などを包み込みながら身体の構造を支える結合組織であり、
運動や反復動作による力学的刺激が組織の機能に影響する可能性が示されている。


【出典】

Stecco C, et al.
The Fascia: The Forgotten Structure.
Italian Journal of Anatomy and Embryology, 2011

Langevin HM, et al.
Dynamic fibroblast cytoskeletal response to subcutaneous tissue stretch.
Journal of Cellular Physiology, 2005

Wilke J, et al.
What is evidence-based about myofascial chains.
Archives of Physical Medicine and Rehabilitation, 2016

理学療法士が見る「動かないことによる肩こり」

肩こりの相談を受けるとき、
多くの方に共通している生活習慣があります。

それは
長時間座っていることです。

デスクワークやパソコン作業では、
1日の多くの時間を座って過ごすことがあります。

このような生活が続くと、
肩こりを感じやすくなることがあります。


座りすぎで起こる身体の変化

座っている時間が長いと、
身体の動きが少なくなります。

身体を動かさない状態では、

・筋肉の活動量の低下
・血流の低下
・関節の動きの減少

が起こりやすくなります。

特に肩や背中の筋肉は、
姿勢を保つために長時間働くため、
疲労が蓄積しやすくなります。


理学療法士がよく見る身体の特徴

PHYSIOで肩こりの方を評価すると、
長時間座っている方では次のような特徴が見られることがあります。

・背中の筋肉が硬くなる
・肩甲骨の動きが少ない
・胸郭の柔軟性が低下している

身体を動かす機会が少ないと、
肩甲骨や背骨の動きが小さくなりやすくなります。

この状態では、
首や肩の筋肉が姿勢を支える負担を受け続けることになります。


座りすぎと肩こりの関係

長時間座る生活では、
同じ姿勢が続くことが多くなります。

姿勢が変わらない状態では、
同じ筋肉が働き続けるため、
筋肉の疲労が回復しにくくなります。

その結果、

・肩こり
・首こり
・背中の張り

などを感じやすくなることがあります。


Fasciaの視点から見る「動かない身体」

身体の内部には、
筋肉や臓器を包みながら全身をつないでいる
Fascia(筋膜)という結合組織があります。

この組織は、
身体が動くことで圧力や張力などの刺激を受けます。

運動や日常活動による刺激は、
組織の機能維持に関係すると考えられています。

逆に身体を動かす機会が少ないと、
組織への刺激が減少し、
動きが小さくなる可能性があります。


肩こりを防ぐための生活習慣

座りすぎによる肩こりを防ぐためには、
次のような習慣が役立つことがあります。

・1時間ごとに立ち上がる
・肩甲骨を動かす
・軽いストレッチを行う
・歩く時間をつくる

特別な運動でなくても、
身体をこまめに動かすことが大切です。


理学療法士が勧めるシンプルな対策

肩こりを予防するために、
PHYSIOでは次のような習慣を勧めることがあります。

「長時間同じ姿勢を続けないこと」

例えば

・電話をするときは立つ
・休憩時間に少し歩く
・肩回しを行う

などでも、
肩周囲の負担を減らすことにつながります。


まとめ

肩こりは、
長時間の座り姿勢や運動不足によって
起こることがあります。

特に

・デスクワーク中心の生活
・身体を動かす機会が少ない生活

では、
肩や首の筋肉に負担が集中しやすくなります。

肩こりを予防するためには、
身体をこまめに動かす習慣が重要です。


【根拠】

Fasciaは運動器系を連結する結合組織であり、
身体活動による力学的刺激は組織の機能維持や適応に関与するとされている。

また、身体活動の低下は結合組織や筋の機能低下につながる可能性が指摘されている。


【出典(PDF参考文献)】

・今北英高ほか:Fasciaとは-解剖生理学的意義の見地から.臨床スポーツ医学,2020
・Schleip R:Fascial plasticity – a new neurobiological explanation.2003
・望月久:メカノセラピーと理学療法.PTジャーナル,2020
・Kopeinig C, et al:Fascia as a Proprioceptive Organ and its Role in Chronic Pain.2015