今朝、NHKでファシア特集 肩こりの原因が放映されているのをみました。
私はファシアを対象として学術研究活動を行う日本整形内科学研究会でファシアのことを以前から臨床研究しています。少しづつ学術誌への論文投稿や、教科書の執筆活動などをいくつかの大学の教授らと取り組んでいます。
成田先生が言われていた皮膚の下の脂肪と筋肉の間にあるものがファシアである。というのは間違っていませんが、実際には脂肪と皮膚との間にもあり、また筋肉の中にも存在します。あらゆる部位(手足や内臓にも)、深さ(皮下にも骨周辺にも)、層に存在します。

上の図表はJNOS会長の木村裕明先生らの本からの引用ですが、この図でいうSuperfisial FasciaとDeep Fasciaという大きく二つの層に分けられています。そして筋肉の中の筋線維の部分までFasciaはつながっています。
実際に、筋肉痛の炎症が起こっているのが筋繊維を取り囲む筋内膜であったとする研究が報告されていましたが、この筋内膜もファシアです。これは脂肪と筋肉の間にあるのではなく、筋肉という器官の中にあります。
ファシアは、全身に存在しています。

呼吸筋にもあるし、神経の周りにもあります。関節の周りにもあります。
筋肉=筋線維+ファシア(線維構造)
末梢神経=軸索+ファシア(線維構造)
関節=関節腔+ファシア(線維構造)といったイメージです。
関節痛と言われたときに、関節内の(水がたまるとか)問題と、関節外の問題がありますが、この関節外の問題がファシアであることが多いです。
肩こりにも、今回の放送であったような浅い部分のファシア異常が原因のこともあるし、末梢神経周囲のファシア異常が原因のこともあります。
その場合に、今日の放送のように皮膚をつまんでぐいぐい動かすと、悪化してしまう方もおられるかもしれませんし、もっと深いところのファシア異常がある方の場合には、やはりすぐに戻ってしまうかもしれません。
ハイドロリリースの効果が、早い人は3時間くらいというのは、リリースする場所が確信に迫れていなかったということだと思います。
以上が、今日の放送の内容にプラスアルファしてお伝えしたいことでした。
放送でも言われていましたが、動かすことがとても大切です。
実は、動かすことで、痛みの感受性が低下します。
気になる方は是非ご相談ください。
リハビリ&トレーニングPHYSIO 滋賀県長浜市