仙腸関節が関係する腰痛(仙腸関節性腰痛)
参考文献:診断のつかない腰痛 仙腸関節の痛み 村上栄一著 JCHO仙台病院 腰痛・仙腸関節センター長 南山堂2016.11.305版
こんなことにお悩みではありませんか?
□寝返り、立ち上がり、立位保持、歩行開始まもなくの背中の張りや臀部痛の増悪
□寝ると痛いや痛いほうを下にしてねると痛い
□やわらかいソファーなどには座れない
□30分くらいしか座っていられない
□腰が伸ばせない
□下肢痛や脚にしびれを感じるけれど症状の部位が変化する
□側弯症がある
□背中の張り、動作開始時の痛み、体を動かすと痛い、会陰部痛がある
もう大丈夫です!きっとお役に立てます。
□その悩みを解決するには、身体機能を高めるという視点が重要です。
□画像診断ではわかりづらい機能異常によって生じているのがこのタイプの腰痛です。
□病院の治療対象となるのは「変形や炎症などの結果」であることが多いです。
□一方で、炎症や変形がなぜ起こっているのでしょうか?
□ほんとに年の性だけなんでしょうか?職業病は職業を変えないと良くならないのでしょうか?
□人間の身体には構造と機能(身体機能)という二大要素があります。
□構造も機能も重要です。構造をしっかりさせて補うのか、機能を高めて補うのか、さまざまな選択があるのです。
□投薬も注射も、マッサージも電気治療も、同様に結果生じている「痛み」を治療しています。
□A+B=結果、だとイメージしてみてください。
□A+Bにはさまざまな数字が入り、結果でてくる答えもおのずと変わります。
□私は、こういった公式をストーリーと呼んでいます。
□なぜ痛んでいるのか、凝っているのか、どうすれば少しでも予防できるのか、どうすれば炎症や変性に至った肉体的ストレスを軽減できるのか、その答えを考える必要があります。
□もちろん、このストーリーに代謝異常や遺伝子異常、腫瘍性病変、感染性病変、骨折などがないかは、医師が診断治療してくれます。
□しかし機能に関しては、結果を生む原因因子なので予防やケアとして医療以外で対応せざる得ません。
□そして私は「痛みや可動域制限などの結果」につながっている「身体機能(可動域、筋力、持久力、姿勢、呼吸、動きの質など)」を変えることのできる知識や技術を持っています。
□重要なことですが、私はその知識や技術を、あなた自身とシェアすることができます。
□仙腸関節炎は、MRIなどで診断されますが、仙腸関節の機能障害は、残念ながら簡単には見つかりません。
□長引く腰痛や、繰り返す腰痛の原因に、仙腸関節障害があるかもしれません。
□さて、なぜ仙腸関節障害が生じたのか、そのストーリーは人生の主人公のあなただけのオンリーワンのものです。
□24時間を生きる主人公のあなたと情報を共有し、あなただけのセルフケアや、あなただけに必要な施術を行います。
□消炎鎮痛薬や注射は結果的に生じた炎症をおさめるために用いられることが多いです。
□家に雨漏りがあったとしますと、その漏ってきた部分を綺麗にしているようなものです。
□どこからなぜ雨漏りしてきたのか、家の構造だけでなく、機能を考えることで、薬や注射の効果も高まると考えます。
忘れ去られた関節=仙腸関節
□ヒポクラテスの時代から出産時の骨盤の役割に関心がもたれていたが、不動関節と思われていました。
□1905に仙腸関節前方の骨棘が坐骨神経痛の原因との考えられるようになり、その後1934年、腰椎椎間板ヘルニアが下肢痛を誘発し、仙腸関節はあまり関係ないと報告されてから近年まで、仙腸関節は腰痛や下肢痛の原因部位として忘れ去られた関節になっていった。
腰だけでなく下肢まで症状がでる理由があります
【仙腸関節の神経支配】
関節前方 | 関節下部 | 前上部 | 前下部 | 後上部 | 後下部 | 関節裂隙後方 |
L5,S1前枝 | 上殿神経、S2後外側枝 | |||||
L5 | S2前枝 | L5前枝 | S2前枝 | L5後外側枝 | 仙骨神経後枝 | |
関節包や靭帯領域に侵害受容器が存在 |
つまり、仙腸関節障害による関連痛は下肢への多彩な症状を呈することが考えられる。
【仙腸関節の痛みの病態】
□反復作業や中腰姿勢によって関節面の不適合が生じると、関節周囲の靭帯などにテンションがかかり、知覚神経終末や侵害受容器が興奮する(痛みの電気信号が発電する)。
□特に女性の場合は座位で仙腸関節の不適合を生じやすい。
□しかし炎症性や感染性、変形性や代謝性、腫瘍性や外傷性などレッドフラッグ(危険な病態)のこともあるので、整形外科医の判断を必要とする場合もある。
もしかしたら仙腸関節機能不全が原因の腰痛かもしれません
□寝返り、立ち上がり、立位保持、歩行開始まもなくの背中の張りや臀部痛の増悪
□仰臥位での痛みや痛いほうが下になる側臥位での痛み
□やわらかいソファーなどには座れない
□腰が伸ばせない
□下肢痛や脚にしびれを感じるけれど症状の部位が変化する
□側弯症
□背中の張り、動作開始時の痛み、体動時、会陰部痛
発見の難しい仙腸関節性腰痛
【特徴的な痛み領域としびれ領域】
□おしり、股関節、太もも裏から足まで。下腹から鼡径部に広がるなどと表現されるように、骨盤から足にまで広がり、神経痛と間違われることが多いです。
□鑑別は難しいとされていますが特徴的なのは上後腸骨棘付近の臀部領域の痛みです。
□またしびれは狭窄症ほど連続性がなく、大腿外側や下腿、足底足背にまで報告されています。
□座位で坐骨結節付近に痛みを感じることもあります。
□発作性の下肢痛がなく、神経痛として治療されている場合には薬物療法にも反応しづらいことも考えられますので、仙腸関節を評価する価値があると考えます。
仙腸関節機能が障害される要因
□転倒などの急性外傷
□妊娠、月経
□長時間強制される不良座位(学校、仕事)
□介護や育児など持続的な前屈姿勢
□歩行不足
□股関節の機能障害(主に硬さ)
□骨盤の大きさの違い
□胸郭機能不全からの神経系抑制(腹筋群の筋力低下)
【腰椎疾患との合併】
□腰痛症例の23%に仙腸関節障害が合併していたとする報告や、仙腸関節障害の20%にすべり症などを合併したとする報告があるように、腰椎疾患と仙腸関節障害の合併は少なくない。一つの関節の硬さは、隣接する関節の不適合に連鎖することがある。
仙腸関節障害の臨床
□この関節部分の機能異常による腰痛は臨床的に多く経験しますが、画像診断などが難しい腰痛でもあります。
□また仙腸関節に興味関心のない医療職も少なくありません。
□しかし腰痛の治療で特に仙腸関節性腰痛の日本のトップランナーである整形外科医の吉田眞一先生は腰痛の方の仙腸関節を検査すると問題がない人の方が少ないと言われています。
□私自身、吉田先生に仙腸関節の治療をしていただき、その関連する症状の多さに驚き、また自分の患者としての経験を、仙腸関節性腰痛の臨床にも活かしています。
□また病院での私の臨床経験では、強度の脊柱狭窄症による神経痛と診断され手術適応と診断されていた方が仙腸関節機能障害による神経痛だったこともあります。
□驚くことに仙腸関節への治療に変更したことで神経痛も治まりました。
□また仙腸関節の機能不全が潜在している腰椎分離すべり症などの方も多く存在します。つまり隣接する関節に機能不全が波及するわけです。
□専門家の中では股関節が関連する腰痛が知られていますが、さらに仙腸関節が関連する腰痛も多く存在します。
□仙腸関節は、腰痛の診断を受けて保存治療や経過観察で症状が軽減しなかった患者さんに対してこの関節へ麻酔した場合に、 約半数の患者さんで症状が軽減したという研究報告もあり、診断の難しさがうかがえます。
□フィジオでは、お客様一人一人の身体の状態を評価し、身体機能を高めることを目的に、施術やトレーニングなどを行い、この悩ましい痛みにつながる身体的課題を解決するように努めています。
□誰しもが、セルフケアの重要性に気づくことが重要です。Wilipedia では次のように記載されています。「病むという事は、身体的、精神的、社会的生活のどこかが不健康であるというサインである。人はこのサインを受け止め、日常生活を修正し、病因について管理・治療を受ければ、多くの病気は早期に消失し、今まで以上に健康な日常生活を手に入れることができる。すなわち病むという体験は、これまでの身体的、精神的、社会的生活を振り返り、己の生き方、価値観、時間の使い方などを振り返って見直す機会である。病むことは、これまでと違った新しい人生を手に入れ、自己成長を得る切っ掛けとなるのである。」
参考:吉松和哉; 小泉典章; 川野雅資 『精神看護学I』(6版) ヌーヴェルヒロカワ、2010年、71頁。ISBN 978-4-86174-064-0。
□体に触れる技術(触察技術)は、触られている方に客観的な情報と主観的な情報を提供します。痛いなーとか気持ちいいとか。そのほか、制限された可動域や低下した筋力が明らかになり、生活習慣や既往歴などとの因果関係を見つけなおす、お手伝いができれば幸いです。
□是非、コリや腰痛、関節痛などのサインを分析し、身体的、精神的、社会的生活を振り返り、見直し、新しい人生と自己成長のきっかけにしていきたいと思います。これこそが、私のリハビリテーション論(概念)であります。
□よって保険外+リハビリなのです。
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